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愛知県半田市を拠点に「野丁場」と呼ばれる左官技術で活躍している末永工務店です。

前回のブログでは、「左官」の語源・由来とは? をお届けしました。


今回は、「左官の技術 日本と西洋とではどう違う?」と題して、日本と西洋の「左官」の違いをお届けいたします。

壁の構造の違い

日本の建物の特徴は、古代から明治時代あたりまでは、柱や梁などの骨組みで強度を保っていたため、壁自体はそれほど強度を必要としない「非耐力壁」構造でした。

柱で壁が区切られ、柱が見えている「真壁」造りと言われ、壁に装飾やデザイン等意匠が優先される独自の技法に発展していきました。

西洋では、石や煉瓦、ブロックなど積みあげ、壁で建物の強度を保つ構造の「耐力壁」が多いの特徴。

「真壁」とは反対に、柱や梁が見えない「大壁」造りと言われ、石や煉瓦が崩れないように厚く塗り強度を高める必要があったためデザインよりも強度を重視したものが多かった。

日本では、鏝(こて)を使い、人の手によって角や細部まで塗り込み平滑で繊細な仕上げしていたのが、日本ならではの特徴と言えます。

鏝の違い

日本の鏝

日本と西洋ではそもそも壁に対する考え方が違うため、左官に使う鏝も異なります。

真壁を塗ることが多く、柱と壁の接する「ちり際」をきれいに仕上げる必要があるため、昔は剣先タイプの先が三角になっている形が多かった。
壁の塗り込む場所によって、様々なサイズ、硬さ、厚み、形状が必要となり、その種類は1,000を超えると言われた。また、日本の鏝は、日本刀を作る刀鍛冶の技術が元になっているとも言われ、鏝の製造技術も日本独自に発展をしていきました。

西洋の鏝

「大壁」が多いため、「ちり際」を塗る必要がなく、またモルタルなどを鏝で投げつけ、壁にこすりつけて、壁に擦りつけて作業を行うので、三角や四角い計上の鏝、先が丸い鏝が多く、種類もあまり多くは無い特徴があります。


明治以降、西洋づくりの建物も多くなり、コンクリートやモルタルも扱うため、現在では西洋タイプの鏝も併用しています。

左官の作業は、伝統技術だけにこだわるのではなく、新しい手法も取り込む姿勢が大事です。

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